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末政実緒 | 世界一を目指して

バイクトライアルの世界選手権で優勝。その後マウンテンバイクのダウンヒルにチャレンジ。国内、アジアのタイトルの他、2001年にはジュニア世界選手権で優勝、脚光をあびて以来UCIワールドカップにもフル転戦。トップライダーとして常に注目されています。
このコーナーでは末政選手のレポートでダウンヒル・レースシーンを追いかけます。




2010 UCI ワールドカップ ダウンヒル第4戦( スイス・シャンペリー 20100724-25)

全日本選手権大会を連続優勝で飾り、そのまま、またワールドカップに戻った末政実緒(兵庫/Team FUNFANCY/INTENSE)選手のレポートが入りましたのでご紹介いたします。

***末政実緒 レースレポート***

大会名:UCI MOUNTAIN BIKE WORLD CUP#4
開催地:スイス・シャンペリー
開催日:2010年7月23-25日
天候:曇り
順位:11位
バイク:INTENSE 951

全日本選手権が7月17、18日に終わり、20日からスイス、イタリアワールドカップ遠征が始まりました。
まずはスイス・シャンペリーで開催されるワールドカップ第4戦です。到着翌日にはコースウォーキング、その翌日から試走が始まったりと少しハードスケジュールになってしまいましたが、もう行くしかないと気合いを入れてシャンペリー入りしました。

ここシャンペリーでは2007年にワールドカップが開催されましたが、コースの印象はとにかく斜度がキツくハードで、雨が降ると残酷なコースでした。
前回より少し簡単になったと聞きましたが、確かに前回よりも少しちゃんとしたコースとしてメンテナンスが入っていて、走りやすくなっていました。
それでも、基本的にコースは同じで斜面で下るというより落ちる感覚を味わえるこのコース、果たしてどう攻略しようかといった感じでした。
そして、今回はジャンプも以前より増えてラストには大きいジャンプが続いたセクションがあり、根っこだらけの急斜面を走る技術に加え、度胸も必要なコースでした。

試走1日目は天候に恵まれ、砂埃が立つほどコースが乾いていてすごく走りやすく、スピードが出やすくいきなりケガ人が続出していましたが、まだまだシャンペリーの恐ろしさは本領を発揮していませんでしたが、午後から雨が降り始め徐々に牙を剥き始めました。
そして翌日、予選日。1日目の午後から降り始めた雨は止まず予選日の朝も雨模様。
前日はものすごい深い砂埃だったので、多少の雨ではヌタヌタにはならないのでは?と半ば願うように思っていましたが、夜の間にしっかり降った雨の影響でツルツル、ヌタヌタ、ドロドロ。。。
まだライダーがあまり走っていない1本目は走れたものの、その後はもうこけずに降りるなんて無理なほどドロドロで滑りやすく、コースは大渋滞。それと同時に洗車場も渋滞。
周りの慌ただしさに加え、徐々にコースが掘れてコースコンディションは悪化の一歩を辿りつつ、バタバタとした状態で予選が始まってしまいました。

・予選
予選の準備の為早めに試走を切り上げたので、コースは私が走ったときよりも荒れているとは思い、それなりの覚悟では挑んだものの、想像以上に掘れ方が激しくゆっくりバイクにしがみつきながらくだざるを得ない状況でした。そして、一カ所コースネットギリギリを走る所で岩か木の根に滑りコースネットに倒れかかると、何かに左手を打ち付けてしまいました。
少し痛いなと思いつつ、再スタート。その後は、泥で埋もれてしまい止まってしまったり、足を付いて泥がビンディングペダルに詰まってしまいペダルがはまらなくなってさらにバランスを崩してと、ゴールまでの道のりが果てしなく遠く感じました。それでも、諦めてはおしまいだと言い聞かせなんとかゴールし10位で予選を終えました。

・決勝
予選でペダルが泥詰まりで入らなくなってしまって大変だったので、急きょフラットペダルを入手し走る事にしました。
慣れていないのでジャンプが非常に怖かったものの、足を出し戻しが楽で今回に関してはフラットペダルが良いなと感じ採用しました。
予選で打ち付けた手が思ったりも強く打ったようで腫れてしまい、なんとかハンドルは握れるものの振動で痛みがあったりと朝の試走は少し気にしつつでしたが、それよりも男女の予選を終えたコースが悲惨なほど掘れて荒れていて、しかも雨が止んだせいで泥が重くなってしまい、朝の試走ではどのライダーもバタバタと転倒の連続でした。
しかも、急斜面でこけて吹っ飛ぶとバイクと身体が離れてしまい、路面が滑るのでバイクの所まで上がれないほど。
そんな私も試走で吹っ飛び、地面に植わっている木の根をロープ代わりにしてバイクを救出しました(苦笑)
決勝、サバイバルレースがスタートしました。
スタートと同時に手の痛みなんて全く気にならなくなりましたが、今回ばかりは攻めて走ろうというより無事にゴールしたいという気持ちでした。
多少朝の試走よりも乾いていたのか、少し走りやすくはなっていましたが、ちょっと油断すると吹っ飛びそうなので、確実に確実に。
途中一回だけ倒れ込むような転倒はあったものの、無難に下っていき最後のシングルトラックへ。最後になるにつれてバイクの泥詰まりが激しくシングルトラック出口は重くてバイクが止まりそうになりましたが、ここで漕ぐのを止めてしまうと完全にバイクが動かなくなってしまうと思い、必死に漕ぎ無事に抜け出してゴール。
結果は予選より1つ順位を落としてしまい11位でゴールしました。

シャンペリー大会、順位的には良くもないし、反省や改善しないと行けない所はたくさんあると思いますが、今回は無事にゴール出来ただけで正直ホッとしています。
どうやってこの残酷なコースを走りきれば良いのだろう?と毎回思うほど緊張しながら走っていたし、ゴールするまでドキドキしていた自分。
こう思えることはまだまだ自分はチャレンジャーだと再認識出来、まだまだ海外選手から学ばないといけないことはたくさんあると思ったそんなレースでした。

次は7月30-8月1日にイタリアで開催されるワールドカップ第5戦です。
イタリアでも少しでも何かを学び成長出来るよう、頑張りたいと思います。
スイス大会、応援ありがとうございました。

Team FUNFANCY/INTENSE
末政実緒

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Freecaster

ワールドカップ/シャンペリー大会WEBサイト
末政実緒さんのホームページ

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