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山本幸平|今週もレースを走ってきました!

ジュニア時代から頭角を現し、全日本選手権U23、3連覇などを経て、2008年には北京オリンピック日本代表となった、山本幸平(やまもと こうへい)選手は、2012年ロンドン・オリンピックに向けて活動中。今年もフランスを中心に、各地大会に参戦しています。
このコーナーでは山本選手のレポートを中心に、レースシーンを追いかけます。

UCIワールドカップ XCO第3戦 ホッファリーズ 2010年5月2日

UCIのワールドカップも第2戦。歴史あるベルギーの大会に山本選手が参加しました。レースではスペインのベテラン、アルミダ(José Antonio Hermida Ramos )が優勝。ワールドカップ・ランキングでもトップとなりました。
では、山本選手のレポートをどうぞ。

Photo by: Sonoko TANAKA

Photo by: Sonoko TANAKA

■ワールドカップ第2戦は、ベルギーHoufalizeにて行われた。先週には開幕戦がイギリスにて行われ、そのままベルギーに移動をして、このレースの為に調整をしていた。
ゆっくりとしたストレスのない生活を過ごすことの重要性を感じつつ、レース当日を迎えた。疲れは、抜けていてやる気もバッチリ。コンディションは上がっているのを感じていたし、自分を信じて、自信を持ってスタートラインにいた。天候は、雨が降ったりやんだりしている。レースは、スタートループ+5周回

コース内容は、昨年とはガラリと変わり、長い登りは無いものの、斜度が急で身体を上手く使わないと登れない登り区間が2箇所設けられていた。雨の影響でコースコンディションも荒れて、滑りやすい状況だった。
スタート1分前とアナウンスがあった。会場は、静まり返っていた。良いね、この感じ。
30秒前
15秒前・・・・・。
スタート!!
反応も良く、冷静にスタート。トラブルを避けるために、流れに乗ってからの加速。

今回は、上手く行けている。スタートループの初めは、斜度20%の登りが500mくらい登らせられる、ここで前に行かないと先週と同じ事になってしまうので、全快でもがいて前へ進んだ。今までに無いくらいの乳酸が身体全体を包み込んでいる。
吐きそうなくらいだが、ここで前に行かないとッと言う想いが湧き出て来て、僕の愛車:ANCHOR XHM9 RSを進ませる事が出来た。下り区間に入る、予想よりも路面がスベる、前では転倒しているが冷静に避けてレースを進ませられている。ここでは、先週3位のBurryや優勝した、Hermidaも一緒に走っていた。良い位置で走れているのは少し分かっていたが、レースは進んでいるのだ。上手く走る事が出来てはいるがパワフルさが足りない。集団で走る事が上手く行かない感じで、少し一人走行をする事になる、前の方を走っているので、混雑している感じはない。スムーズにレースは進む。昨年の世界チャンピオンが後ろから上がってきた。冷静で速い。後ろに着いていけば・・・って思うが、着いていけない弱さ。
スタートループが終わり、周回コースへ突入。まだまだ、ここから。今追い込まないで、いつ追い込むの??と自分に言い聞かせて、重たいギア数を踏み倒し愛車を進ませる。

Photo credit © Dave McElwaine/trailwatch.net

Photo credit © Dave McElwaine/trailwatch.net

第一フィードゾーンを通過する時に、コーチが結構いい感じって言っていた。この時点では、順位は分からない状況だった。でも、順位とかではなく、レースを走る事が僕の仕事。
この場。ワールドカップで走り、僕の全力を出し切る事が重要なのである。
弱い自分が出ているのを感じた。
今まででは感じ取る事すら出来なかった、この感情がレース中とレース後に感じ取れている。世界のトップになろうと思うと沢山の経験をしていかなければならない、タフなメンタル。豊かな感情性。優しさ。厳しさ。レースは、人生だよね。
本当に器の大きな人間でないと勝つことは出来ないと感じたよ。
周回を重ねていくと、前方からは、トラブルや疲労して減速してくる選手がいる。僕は、今の所、順調に進む。レース中盤。30番台を走っているとの事が伝えられていた。
前を見ると、沢山のライダーが見えている。あ~追いつきたい!!って思うが、パワーが溢れてこない。悔しい。
会場では、アジアチャンピオンのKohei Yamamotoとアナウンスが聞こえてくる。
アジアから唯一参加の僕。アジア人、そして日本人の代表として走れている誇りを感じた。
観戦している人からも、沢山の応援をされて走る事が出来ている。この場で走る事の重要性を肌で感じ取れている。
休む事はしていないが、もっともっと追い込めるよね。と今振り返っています。
レースは、ラスト2周へ入る。何とか前に前にと言う気持ちを表現しなくては。とペースを上げて行く、ラスト周回へ。持っている力を出す事。バイクトラブルが出ていたが、もう約10分追い込めば良いだけと言い聞かせて、走る。数名見えている。
最後の最後まで追い込んでゴールラインを通過した。

結果は、初めて30位でゴール。順位が、ようやく形となって出た瞬間だった。嬉しさもあるが、今は、冷静な気持ちでもある。走りのスタイルを変えていかなければ世界とは競り合えない。しかし、僕の持っているスタイルも、通用している部分が沢山あるって事。も分かった。
この場で走れている事に感謝したいのと、この感じている事を、もっともっと沢山の人に伝えていかなければって思う。こんなに面白い競技があるのだから。マウンテンバイクの素晴らしさを多くの方々に知ってもらうために、僕は、世界一を目指して走ります!!

これからも、応援よろしくお願い致します。

KOHEY

2010 UCI Mountain Bike World Cup Houffalize(BEL) 20100502
クロスカントリー(男子エリート)

Pos UCI Nom Prénom Nat Team Time
1 ESP19780824 HERMIDA RAMOS José Antonio ESP MULTIVAN MERIDA BIKING TEAM 1:44:19
2 GER19820330 FUMIC Manuel GER CANNONDALE FACTORY RACING +00:57
3 GER19750517 KURSCHAT Wolfram GER TOPEAK ERGON RACING TEAM +01:25
30 JPN19850820 YAMAMOTO Kohei JPN Bridgestone ANCHOR +08:09

大会サイト

バイク:ANCHOR XHM9 RS
フォーク:ROCKSHOX SID World Cup
ハンドル:Ritchey Super logic Carbon Low Rizer
ステム:OnebyESU ジェントル ステム 120mm
シートポスト:OnebyESU ムンク シートポスト ブラック
ホイル:Shimano WH-M975
シューズ:Shimano SH-M310SE
ペダル:Shimano PD-M970
サングラス:Adidas Adivista
ヘルメット: OGK MOSTRO VIGOR
サプリメント:レース前 BCAAタブ10粒 Feタブ 2粒 Caタブ 2粒 SAVASウォーター, レース時 SAVASウォーター,レース後 SAVASアクアホエイプロテイン(アセロラ味)

山本幸平
チームブリヂストン・アンカー 北海道出身 1985生まれ 2008全日本チャンピオン(男子エリート・クロスカントリー)


次回大会 Freecaster.tvでのライヴ放送

UCI ワールドカップ

警視庁の自転車安全利用五則です。 ルールを守って正しく乗りましょう!! bicycle_B3jpg用