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末政実緒 | 世界一を目指して

バイクトライアルの世界選手権で優勝。その後マウンテンバイクのダウンヒルにチャレンジ。国内、アジアのタイトルの他、2001年にはジュニア世界選手権で優勝、脚光をあびて以来UCIワールドカップにもフル転戦。トップライダーとして常に注目されています。このコーナーでは末政選手のレポートでダウンヒル・レースシーンを追いかけます。

世界選手権も無事終わり、先週帰国致しました。
世界戦では書き切れないほどの出来事があり、レースレポートが長くなってしまいましたが最後まで読んでいただければ幸いです。

海外でのレースは世界戦にて終了しましたが、国内はこれから後半戦が始まります。
まずは今週末のジャパンシリーズ第3戦富士見パノラマ大会です。
最後まで気を抜かず全力で走りたいと思います。
 

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大会名:UCI Mountain Bike&Trial World Championships
開催地:スイス・シャンペリー
開催日:2011年8月29日-9月4日
天候:雨
順位:6位(シニア女子)
バイク:INTENSE M9

ワールドカップ最終戦から2週間、年に一度世界一を決める世界選手権大会がスイス・シャンペリーで開催されました。
シャンペリーは過去2回ワールドカップが開催されましたが、毎回必ず雨が降り急斜面に作られたコースは下るというより滑り落ちると言う印象が強く、世界一といっても過言ではないほど過酷なコースで今年世界選手権が開催される事になりました。

コースはほぼ上から下までシングルトラック、1.6kmと他のコースに比べると短いものの走り応えのコースでした。真っ逆さまに落ちるような急斜面の下りで落差が激しく、スタートからゴールまで一切気の抜けないコースでした。
そして、コースの所々にあるビックジャンプ。ゴール前にはなんと7個もあり、バイクを扱う繊細さに加えジャンプを行く勢いも必要でした。

世界選手権は色んな種目、カテゴリーのレースが行われるため一週間と開催期間が長く、毎日レースが行われている為試走時間は毎日短く一日の試走本数は少ないものの、余裕を持って試走する事が出来ました。
そのおかげで今回は、ワールドカップのように時間とコース攻略に追われ大きなジャンプを飛ばなければという切迫した感覚はなく、毎日このジャンプを飛ぼう、次はこのジャンプを飛ぼうといった感じで段階を踏んで前向きに取り込む事が出来ました。

<タイムドセッション>
世界選手権は全員が決勝を走るため予選の代わりにタイムドセッションが金曜日に行われました。
午前中の練習でやっとジャンプが全て飛べるようになり、すっきりとした気持ちでタイムドセッションに挑みました。
前日に雨が降った影響でコースはまだ少し滑りやすく、そしてコースを上から下まで通しで走るのは初めてだったので、丁寧に走り6位でゴール。

1. ATHERTON Rachel
2. RAGOT Emmeline
3. NICOLE Myriam
4. MOSELEY Tracy
5. BERNHARD Petra
6. 末政実緒

<決勝>
週始めの天気予報は前半が晴れ、後半は崩れるという予報でした。
しかし、土曜日の夕方に一瞬大雨になった以外は土曜日の夜、日曜日の朝は降っておらず、天気予報は外れたかな?とかすかな希望を持っていましたが、日曜日朝の試走を終えてジュニアクラスの決勝が始まる少し前から雨が降り始めてしまいました。
ジュニアの決勝が始まったとたん、救助ヘリがコースへ出動し始め、それが一向に止む事がなくコースは戦場と化しました。
そして、ヘリが出動する都度コースクローズ、リフトストップでもうレースは混乱状態。
決勝は少なくとも1時間は遅れているという情報がありましたが、スタート間隔を詰めたおかげで思いのほか早く女子が始まりました。
ジュニア男女の混乱、悪天候でスタート地点は張りつめた異様な緊張感。
こういうときこそ冷静さを心がけ、落ち着いてまずは泥の様子を見ながら慎重にスタートしました。
しかし、コースコンディションは想像以上に滑りやすく、前半鋭角なコーナーで落下防止の網にハンドルバーを引っ掛けてしまい停止。
急いで取り払い気を取り直してスタートするも行く手が泥に阻まれ、タイムロス分を取り戻すのが厳しかったですが、中盤の大きなステップアップジャンプは雨でも飛ぶ事が出来て勢いがついてきました。
ジャンプを飛びスピードに乗り始めた矢先、フロントタイヤがすっぽ抜けて転倒。
ダメージはなくすぐに起き上がり走り出し、無我夢中で前へ前へと進みやっとゴール前のジャンプセクションへきました。
泥で飛ぶのが厳しくなっていましたが、絶対に飛べると信じて全力で漕いでジャンプに突入しました。
飛び出しで滑って体勢が崩れ転倒しそうになりましたが、なんとか体勢を立て直し全てクリアしゴール。
ジャンプでタイムを縮めたとはいえ、転倒が響き6位で世界選手権を終えました。

1. RAGOT Emmeline
2. ATHERTON Rachel
3. BUCHER Claire
4. NICOLE Myriam
5. JONNIER Sabrina
6. 末政実緒

ゴール前のジャンプは昨年の世界チャンピオンでさえ一つ目で体勢を崩し飛べず、女子で飛んだのは数名のみだと聞いた時は、その数名の中に入る事が出来て嬉しかったです。
パワーよりテクニック重視のコース、得意なコースで表彰台を逃したのは悔しいですが、今年はシーズンを通し今ひとつ自分の実力を発揮出来ずにいたしその上怪我もしてしまい、こんな状態で通用するのかと不安な気持ちもありましたが、今回は実力を発揮出来て自信を取り戻せた良いレースだったと思います。
もちろん今回の結果に満足する事なく、さらなるレベルアップに必要な技術、体力を身につけなければなりません。
と同時に、年々レベルの上がる海外で日本人ダウンヒル選手が活躍するには、個々に応援してもらっているスポンサーの方々のサポートのみならず、連盟や協会のバックアップが必要不可欠だと切実に思いました。

いつも応援してくださっているスポンサーの皆様、ファンの皆様、そして世界戦で全力でサポートしてくださった日本チームスタッフの皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
応援ありがとうございました。

次のレースは9月17日富士見パノラマで開催されるジャパンシリーズ第3戦です。
良い走りをお見せ出来るよう、全力で挑みたいと思います。

Team FUNFANCY/INTENSE
末政実緒


 

 







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